自分が勝てるゲームを作るための指南書『Eric Sink on the Business of Software』

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私も編集の仕事をするから、担当編集の方が誠実に作られているのは本当によくわかる。しかし、これはソフトウェア開発者向けのニッチな起業本であってはならないんじゃないかなと感じた。 これは、要するに自分が勝てるゲームを作るための指南書なんだと思う。ソフトウェア開発という分野に限らず。[『弾言』](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757215339/binword0f-22/ref=nosim/)のp.118には、

では、自分が勝てるゲームとは何か。それは考えない限り見つかりません。自分は何ができて何ができないのか、客はどこから呼ぶのか。ゲームを作るなら、自分が勝てるだけでなく、客も楽しめるものにする必要があります。  それを考えて実行するのは、「仕事」と呼ぶに値しませんか? 今後、「考える」とはそういうことを指す言葉になっていくはずです。

という下りがある。その「考える」ためのヒントが満載されているのが、『Eric Sink on the Business of Software』というわけ。書名にも難があって、これだと洋書だと思われてスルーされる危険性があるのでは(少なくとも私は一瞬勘違いした)。 内容に関しては、非の打ち所がないくらい面白い。ギークなジョークで脳がゆるんだところに繰り出される、超実践的アドバイスの数々。例えば、こんな感じ。

ここでの教訓は、「新しい」アイデアというのはみんなが考えているほど価値あるものではないということだ。多くの場合、売り手のいないマーケットというのは、実際にはマーケットでも何でもないのだ。お金は競合を避けることではなく、競合を打ち破ることで得られる。新しいビジネスを始めたいなら、誰も試みたことのないアイデアを探そうとはしないことだ。そうではなく、実際の顧客相手に商売が行われているが、あまりうまくなされていないようなところを探してみよう。そしてもっとうまくやる方法を見つけるのだ。(p.145)

経営者、起業家に限らず、フリーランス、SOHO的な働き方をしている人なら必ず役に立つはず。