コンピュータの名著まとめ買い

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インプレスの『コンピュータの名著・古典100冊』が売れているようだ。私も買ってきてつらつらと見ていたのだが、紀伊國屋書店新宿南口店でこれに合わせたブックフェアをやっており、思わずまとめ買いしてしまった。もちろん、Amazonなどでも買えるからわざわざ重い本を買い込んでくることもないのだけど、きちんと流行を逃さずにフェアをやる書店の心意気を感じたのだ。

購入したのは、『カッコウはコンピュータに卵を産む〈上〉』『同〈下〉』『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』。『コンピュータの名著・古典100冊』には含まれていないが、『ソースコードの反逆―Linux開発の軌跡とオープンソース革命』もいっしょに買った。

『カッコウ?』は、10年以上前に発売された時から気になっていたのだが、読むタイミングを逃してしまっていた。ハッカー(クラッカーというべきか?)と対決する天文学者のドキュメンタリーなのだが、本人が書いているだけに迫真性がすごい。侵入の手段やセキュリティホールの内容は今となっては当然時代遅れだが、一般ユーザーの無防備さやネットワーク上の自由についての議論はまったく古びていない。逆に今同書を読むと、コンピュータに詳しくない人でも現在の問題点がよく理解できるかもしれない。また、80年代米国西海岸の暮らしやIT技術者の政治的なスタンスについても緻密に描写されている。著者自身はノンポリだったのが、ハッカーとの対決を通じて、自由について考えを深めていくあたり、[『CODE ― インターネットの合法・違法・プライバシー』](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4881359932/binword0f-22/ref=nosim)、[『コモンズ』](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798102040/binword0f-22/ref=nosim)にも通じるものがある。なおかつ、エンターテインメントとしても単純に楽しめる本に仕上がっている。

『コンピュータの名著・古典100冊』に含まれている本では、あと『アラン・ケイ』『ビーイング・デジタル ? ビットの時代 新装版』『フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集』『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』を持っている。 『アラン・ケイ』、『ビーイング・デジタル』はある意味、ユートピア論的な本だが、最近コンピュータがつまらないと思い始めている人にはぜひ読んでほしい。『フリーソフトウェアと自由な社会』には共感するところも多いのだけど、うーん、やっぱりストールマンって取っつきにくい……。『ゲーデル,エッシャー,バッハ』は10年近く積ん読中。この機会に再挑戦するか。 私がコンピュータの名著を選ぶのなら、あと『プログラミング言語AWK』かな。プログラミング経験がまったくない人でもプログラミングを満喫できるようになるすばらしい本だが、最近AWKはあまり見かけないからなあ。それにしても、米国のコンピュータ科学者にはユーモア感覚があって文章のうまい人が多いと感心させられる。 コンピュータの仕組みを学ぶには、『プログラムはなぜ動くのか』も推したい。このシリーズでは『ネットワークはなぜつながるのか』『Windowsはなぜ動くのか』もなかなかよかったように思う。ただし、『コンピュータはなぜ動くのか』はいろいろな内容を網羅しようとしているのだけど、全体的にちぐはぐな印象であまり面白く感じなかった。

コメント

堀米 毅
私は半年近く、本屋さんには行っていません。アマゾンで購入しています。本を購入するスタイルが変りました。アマゾンの場合、1500円以上購入すれば送料はかからないし、領収書も発行してくれるので、愛用しています。
Tats_y
私も月に1,2冊はアマゾンで買ってますねー。頼んだ翌日に届くこともざらなのでとても重宝してます。アマゾンは自動処理でいろいろお勧めの本を推してくるんですが、これがまたなかなかツボを突いてくるので、ついクリックしてしまいます。 ただ、現実の書店もなかなか捨てがたいです。熱心な書店だとテーマを決めてフェアをやったりするわけですが、こういうのを見るのが楽しいんですよ。昔出た本だと、やはり手にとって中身を確認したいですし。私の家の近くにある書店はフェアはやりませんが、妙に品揃えがマニアックで、いい感じです。 新刊書だけ置いてあるところはつまらないですけど。小さな書店が生き残っていくのはやはり大変でしょうね。