知り合いから「速度は高いというべきなのか、速いというべきなのか。こういうことをパッと調べられる電子辞典はないかな」と聞かれた。 「高速」という言葉があるから、私としては「速度が高い」というのはアリだと思うが、Googleで調べてみると「速度が速い」の方が圧倒的に多い。「速度が大きい」といってもよさそうだ。逆に、「速度が速い」というと「速」が2つ続いて、「馬から落馬」みたいな落ち着かなさがあるような気もする。
こういう用途に使える(かもしれない)市販の電子辞典として、思い当たるものが1つある。それは、岩波書店の『日本語語彙大系 CD-ROM版』(Amazon)だ。お値段、何と6万円。密かに辞典マニア垂涎の逸品だったりする(本当か?)。私も前々から気になってはいるのだが、やはり6万円という価格のため、なかなか手が出せないでいる。あぶく銭が入ったらすぐ買うつもりなのだが……。紹介ページには、「慣用的表現の文型を名詞から検索」と書かれており、これはまさにぴったりの機能だと思うのだけど、値段がなあ。
そのほかの電子辞典となると、複数の国語辞典を適宜使い分けるということになるだろうか。手持ちの電子辞典だと、[『新明解国語辞典』](http://www.logovista.co.jp/jiten/products/jiten_sinmeikai_W.html)([Amazon](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005OJKC/binword0f-22/ref=nosim))、[『角川類語新辞典』](http://www.binword.com/blog/archives/000038.html)あたりを表現の確認に使うことがある。特に後者はこういう用例を探すのに適していると思うが、CD-ROM版は絶版のようだ。意外と『広辞苑』は用例が少なかったりする。 用字用語辞典などを探してみるとよいのかもしれないが、『新明解国語辞典』付属の『必携用字用語辞典』では「速度」の用例はなかった。 あと、『スーパーニッポニカ』の『国語大辞典』はどうなのか興味がある。おっと、今調べたら最新版の[『スーパーニッポニカ Professional Win版』](http://www.s-book.com/plsql/sbc_book?isbn=4099067459)([Amazon](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00017YQCK/binword0f-22/ref=nosim))が発売されたとのこと([Mac版](http://www.s-book.com/plsql/sbc_book?isbn=4099067467)([Amazon](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00017YQCU/binword0f-22/ref=nosim))もあり)。この機会に買ってしまうか……。市販の辞典ではないが、以前IPA(情報処理振興事業協会。現在の名称は、情報処理推進機構)が『計算機用日本語基本辞書IPAL ?動詞・形容詞・名詞?』というデータを提供していた(現在も配布しているかどうかは不明)。これは自然言語処理の研究用で、どの言葉がどの言葉とどう結びつくかといったことを調べるために使う(ちなみに、IPALでは「速度」と結びつく形容詞として「速い、遅い、大きい、小さい」が挙げられている)。
日本語入力システムを開発しているメーカーは、こうした単語同士の結びつきを独自にデータベース化しているはずだ。最近のIMEなら、「お茶は熱い」「本は厚い」をきっちり変換し分ける(このデータは基本的にユーザー側からは見えないが)。 ただし、校正機能や電子辞典機能付きのものでも、単語の結びつきについてのアドバイスはまだまだだろう。ATOKでは同音異義語の間違いは指摘してくれるが、「速度」に対応するのが「速い」か「大きい」かを教えてくれるわけではない。文章推敲ソフトの『Just Right!』では、「お茶は厚い」は指摘されたが、「膾炙で働く」(正しくは「会社で働く」)という間違いが指摘されなかった。 この単語間の結びつきは、校正システムの次のトレンドになるかもしれない。
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