なぜ今こうなっているのか腑に落ちる『日本社会のしくみ』

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『日本社会のしくみ』(小熊英二・著)、何となく「こうだろうな」と感じていた慣習の成り立ちを緻密に解説してあって大変勉強になりました。興味を引かれたところをピックアップすると、
・日本社会は、「大企業型」か「地元型」、それ以外の「残余型」でできている。「大企業型」が日本社会の構造を規定。
・定年後の過ごし方に悩むのは、昔から「大企業型」の人に限られていた。
・大企業正社員の就職口は一定数で決まっていて変化していない。そういう意味で、(皮肉として)子供を増やさない日本人は合理的。
・日本における学校の機能は、企業内訓練に耐えられる能力を持つ者を選抜すること。
・日本企業は、地頭の良さ、要領の良さなどの潜在能力を求めていて、専門知識は求めていない。世界的に見て相対的に日本は「低学歴化」している。
・雇用労働者の供給源は、日本の場合は自営業、アメリカは移民、イギリスは増加した人口。
・70年代、80年代、自民党は小規模小売店を保護してきた。結果として自営業や零細企業の合理化が進まなかった。
・日本の失業率は低い。これは、自営業と中小企業で働く人々に選択の余地がないから。
・2000年代以降は、自営業・中小企業から、大企業の非正規労働者へ労働力が移転。
・農林・非農林の自営業から非正規雇用への移動が進んだことで、地域コミュニティの安定性が変質、外部に人口移動。
・日本の雇用は「メンバーシップ型」、欧米は「ジョブ型」と言われるが、成り立ちを考えると、日本は「企業のメンバーシップ」、欧米は「職種のメンバーシップ」と形容した方がよい。
・イギリスなどでは学歴と身分は対立関係にあったが、日本では士族が早々に退潮したこともあって、学歴が身分的指標になった。
・石油ショック以降、「社員の平等」は大企業正社員の範囲だけに制限されるようになって、二重構造が顕在化。
・(仮説として)日本において、1人の男性の賃金収入だけで十分な生活を営める世帯は、全人口の1/3を超えたことはない。「1億総中流」の前提は、個々人の所得の少なさが家族関係と社会関係資本で補われること。
 別に「日本ダメ〜」という本ではないですが、これからの世界に対応できるよう(慣習に基づいた)「しくみ」を変えていくのは、本当に大変だなと感じさせられます。

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